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【北海道バイク旅 vol.7】出会いと感謝!念願の北海道ネイティブトラウトキャッチ by BON
2025.07.25▶前回の記事はこちら
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早朝散歩
7日目。快適な睡眠を得た後の朝は、とにかくソワソワして落ち着かない朝でもあった。
前日に従姉妹夫婦から聞いた「忠別川」までは、歩いて数分。
散歩ついでに行ける距離だった。
「裏の川でも鱒釣れるよ」って言葉に、早朝から散歩がてらタックル持って出発。
少し流れが早い気はしたが、本流と支流をチェック。
反応こそ感じられなかったが、この日の本命ポイントに向けて期待は高まる。
"どこでも釣れる北海道"と聞いていたが、"どこでも釣れる"の意味はこの時まではまだ理解していなかった気がする。
30分ほど散歩しながら一旦部屋に戻った。
この日は一つ必ずしておきたかった事がある。
その為に北海道に来たのだから。
北海道でのメインイベント
まずは朝食にUL弁当のフルーツグラノーラ。
ゆっくりとした時間がありがたいのだが、この日のスケジュールは逆算して動く事に。
バイクツーリングで上陸した北海道だが、一旦バイクを置いて従姉妹の車で観光地へ。
美瑛の景色ととある滝へとガイドしてくれた。
美瑛といえば"白金青い池"らしいが、今回はスルーして"白ひげの滝"をメインに。
水の色がコバルトブルー。地中から出る成分の影響で綺麗なブルーカラーになっているそうだ。
"四季彩の丘"へも立ち寄ったが、個人的には見どころがよくわからず、花を撮ってはハテナになり、それでも何種か頑張ってシャッターきったが、やはりハテナな状況は変わらずお蔵入りにしました。
美瑛の観光を終えてから少し早めの昼食。
元祖と言うのが正解かはわからないが、老舗旭川ラーメン"青葉"に連れてきてもらった。
旭川らぅめん青葉 旭川ラーメン村店
北海道と言えば・・・のひとつにはラーメンもある。
札幌ラーメンというと味噌ラーメンのイメージ。
若い頃に来た時には"山頭火"なイメージも強く、実際に何が北海道ラーメンかはよくわからないが、老舗ながら今も行列が出来るラーメンは間違い無し。
画像では伝わらないだろうが、味わった事のないスープの旨みと麺のバランスが良く、黙って食べれば良いのについつい「うまっ!」を連発してしまう程に出汁の効いた味に感動した。
本当は他にもオススメ店があったらしいが、それはまた次回の楽しみにしておこう。
さて、旭川の周辺も冬ではなく夏前の季節を楽しみ、この旅をするにあたり必ずやり遂げたかった事。
過去、自分の人生の中で大きく舵を切り替え、スノーボードというアソビに出会い、この旭川という街に住む親戚を訪ね、お世話になりながら貴重な繋がりを得て、その繋がりも含めて凄い経験をさせてもらった。
そのベースとなった叔父さんの墓参り。
とにかく口数が少ない叔父さんだったが、家族は皆女性の中できっと浪漫を共有できずにいただろう。
当時もっと自分の視野が広ければ釣りにも一緒に行きたかった。
お酒ももっと一緒に飲み交わせば良かった。
後悔とかではなく、あの時に気づけていたなら、今はどうだったのだろうか。
そういう風に考えられるほど、離れていたにも関わらずルーツを知る度に「叔父さん、本当にありがとう」と、今もそう思える事があるのだ。
当時、自分の至らない行動があった時にピリッと感じる様な空気を与えてくれた叔母さんにも本当に久々に会えて、今感じる事はとにかく全てに対して「ありがとうございます」に尽きる。
もちろん、こうして今も繋がりがあり、温かく迎えてくれた従姉妹にも感謝の気持ちは尽きない。
念願のネイティブトラウト
旭川ステイ二日目のメインイベントを終え、個人的なメインイベントは続く。
前日、トランジット東川で聞いたトラウトポイントへ。
今回の旅では北海道の魚を釣る事も目的とし、海では初日に相内さんと蝦夷メバルを楽しんだ。
鱒王国である北海道では、必ず一匹ネイティブトラウトを釣り上げる!と意気込み、タックルを揃えて積み込んできたが、スケジュール的にほぼこの日がラストチャンスになるだろう。
夕まずめを狙うべく"忠別ダム"へバイクを走らせた。
荷物はトラウトタックルのみ。
短時間の釣行にはなるが期待に胸躍る。
なんせ「釣れますよ」と聞いていたし、「釣れる気しかしない」と伝えてくれたから。
忠別ダムは旭岳源水公園の途中に位置する石狩川水系忠別川の上流部のダムである。
この上流にあたる支流をポイントとしながらダムへと降って行く作戦だったのだが、手前のパーキングでアングラー二人を発見。
スタイルからして間違いなく上級者。
バイクを停めて話かけてみた。
「初めてのトラウト釣りなんですが、もし良かったらご一緒させていただけませんか?」
自分の服装を見て「入渓後は、水に入りますが大丈夫ですか?」との返答。
「一応膝まではウエットソックスと、沢登りの経験も何度かあります。ご迷惑でなければ、お邪魔するつもりもないので、一番後をやらせてもらえたらと...」と、頼み込むと「じゃあ行きましょう!」と、快く受け入れてくださいました。
今回の釣行では、rootwatsocksの「ウェット ウェーディング アウターガイドソックス」に「和紙ハイブリッドソックス【ミドル丈】」を合わせていた。
「北海道でネイティブトラウトをしたい」と水谷さん(@yoji_mizutani)に相談し、購入させていただいた。
このセットのおかげで、今回のネイティブトラウト釣行で気持ち良く釣りをする事ができたのだ。
入渓後、しばらくはキャスト、リトリーブを繰り返し、2回ほどチェイスがあった事を教えていただいた。
ローカルであるキズク君(@jan.ke7373)は、「どんどん先をやってください」と優しく声をかけてくれた。
もう一人のローカル松永くん(@takahiromatsunaga821)は「自分は下から狙ってるんで、先をどうぞ!」と神対応!
お言葉に甘えながら、出来るだけ丁寧にキャストし、ルアーの動きや感触を確かめながら上流へ移動。
なんと、この二人はスノーボーダーでもあり、松永君は北海道を代表するほど技術のあるライダーだった。
お二人と会話していくうちにDANG SHADESユーザーである事も判明。
そこからはテンション上がり気味で、とにかく楽しい釣行時間となった。
いよいよ最終目的ポイントに差し掛かり、キズクくんが「ここは間違いないので投げてください!」と、先にキャストさせてもらえる事に。
今回はどうしても使いたいルアーがあった。
ヒトトキワークスのイグナ42sと50s。
コレも北海道に行く前に、イベントで美奈さん(@mina.kamimura)から色々と話を聞いた上で購入し、必ずこのルアーでネイティブの一匹を釣りたいと思っていた。
前半、42sでチェックしながら、"オショロコマ"を狙っていたが、水流の速さで上手くアクションさせにくい状況。
50sにかえての一投目。
しっかりとジャークし、アクションを確認。
ニ投目は少し奥までキャストし、流れの中をもぐらせ「あっ、根掛かりか??」と思った次の瞬間、「きたーっ!!!!」と叫んだ記憶。
想像を超える重量感は流れの中だからなのか、そんな事を思いながらドラグは上手く調整できていて、下流側に流してしまったもののなんとか足元近くまで寄せ、更にファイト。
しかし、全身が震えてネットは出せず、お二人のフォローでザックをおろしてなんとかキャッチ。
北海道で最初のネイティブトラウト。ニジマス約35cm。
このあたりでは30cm以上がアベレージ。
下流域まで降れば夕まずめに60cmが掛かる事もあるらしいが、とにかくこのメモリアルなニジマス。
全身のチカラが一気に抜けて大満足。
色々と準備をしてきて、イメージも完璧だったが、現実は本当に素人みたいにあたふたした。
もしも一人で入渓していたら、こんな写真も無かった。
感謝を全力で伝えても足りないくらい、この旅で一番心臓が鼓動し、全身が震えた。
しばらく余韻に浸りながら景色も楽しみ、ヒグマ、マダニにも気を遣いながら脱渓。
無事にパーキングまで戻り、せっかくの出会いと更なる感謝を込めて一枚。
ここでもまた二人の優しさに触れた。
このパーキング、実は東川の街で使われている天然水を汲める場所という事をキズクくんが教えてくれ「コレを使ってください」とペットボトルまで。
この更に上流では少し硬い水になるが、この場所は軟水寄り。
好みで、という事だが自分はまずこうしたかった。
そして、ペットボトル一本分の水を汲み、従姉妹の待つ旭川へ再び戻る事に。
実はこの日こそキャンプをと考えていたが、なかなか良い場所が見つからなかった事と釣れるかどうかもわからない状況の中「絶対に釣れるとは思ってた」、「保男(父さん)がついてたねぇ」と従姉妹から深い言葉を貰い、この日も甘える事に。
"初トラウト"を祝ってくれるそうだ。
※厳密にはニジマスは外来種の為、ネイティブと謳うのはNGらしい。
祝!初トラウトパーティー
釣行から戻り、出迎えてくれた従姉妹。
渓流装備のままバイクで戻ったもんで、まずはシャワーと洗濯といきたいところだが、麦酒から。
玄関先で色々と片付けて、シャワーを浴び、洗濯も済ませて、色々とあった出来事を話した。
とにかく興奮していた気持ちを出し切って、気づけば良い時間となっていた。
従姉妹の旦那さんも帰宅してきて、溢れる思いをグッと抑えながらパーティー開始だ。
北海道といえば"トリトン"。
様似産ときしらず、大雪サーモン(ニジマス)、八角、鰊、縞鯵の刺身にホタルイカの沖漬。
小樽なると屋の若鶏の半身揚げに滝川産鴨肉の生ハム。
食べきれないほどの北の食材を揃えてくれて、この日は打ち上げパーティーとなりました。
つづく
ライタープロフィール
名前:赤木 "BON" 一聡
DANGサポートフォトグラファー。
INSTA:@hvtbon