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【北海道バイク旅 vol.6】 摩周湖、屈斜路湖を巡り、思い出の旭川へ by BON
2025.07.21▶前回の記事はこちら
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6日目の朝。
毎日AM3:00には目が覚めてしまう。
この日もまだ外は薄暗く、空が明るくなり始めた頃に目覚め、ゲストハウス内にある温泉に浸かった。
前日にびしょ濡れになったウェアやライディングシューズを干していた場所から屋内へ持ち込み、フリースペースで再度乾燥させるためにゴソゴソしていたところ、更に早起きしていた年配のハイカーが帰ってきたり、前夜沢山会話した年配のライダーさんが起きてきた。
2階のフリースペースで会話をしていると、今日は知床に向かうという話から「摩周湖に行きたいけど、この霧だから」と、諦めていたみたいだった。
「霧だと行く価値はないんですか?」と、尋ねるのは愚問だが、一応聞いてみた。
「霧の摩周湖と言われるくらいだから、価値があるか無いかではなくて、望めるチャンスが少ないうえに、この天候なら行かないかなぁ」
との返答に「なるほど」と納得したが、もうそこまで聞いたら霧でも行ってみようと思い
荷物をまとめ始める事にした。
朝食としてMOUNTAIN PARTY。
UL弁当の限定フルーツグラノーラとなる"いちごチョコグラノーラ"を食べながら、ルートをチェックし、出発の準備を再び始めた。
荷物を積み込みいざ摩周湖へ。
霧の摩周湖?晴れた摩周湖
出発はたしかAM6:30。
朝珈琲をセイコーマートで購入し、ひと息入れて、いざ霧の立ちこむ摩周湖へ。
バイクで走っていると空はわずかに青くなってきた。
霧は残っている状態だったが、気付けは霧を越える高度となり次第に晴れてきた。
展望台パーキングに到着すると、景色はしっかり望める程に。
霧の摩周湖?いや、ほぼ快晴だぞ!
空はまだ霞んでいたが、湖はハッキリと望めるのだ。
同じタイミングで眺めていたご年配の方が、「前にこの景色を見たのは50年くらい前だ」と一生懸命にiPhoneで写真を撮っていた。
「0.5倍でも入りきらない」と聞こえたので「もし良かったら、自分が撮るので写真送りますよ」と伝えてシャッターを切り、チェックしてもらった。
今回の旅では、壮大な景色を予想してフィッシュアイレンズを持って来ていた。
不自然ではあるが、間違い無く目で見た瞬間は一枚におさまる。
「せっかく目で見た景色なのでどうぞ」とエアドロップで転送し、お互いの時間をしばらく堪能。
そして、湖面に霧がかかり始めたので次の目的地へ。
屈斜路湖と美幌峠
屈斜路湖と美幌峠。
ここはバイクツーリングで行きたかった場所。
前日の知床横断と二日目のオロロンラインに並び、景色を眺めたかった場所のひとつだ。
距離も、時間も、走っているとあっという間に到着。
ここでもなんとか景色はしっかりと望めた。
道中では「鹿飛び出し注意」をひたすら指摘されていたが、6日目にしてようやく二匹目の鹿に出会う。二匹目と言っても、親鹿合わせ一気に三匹だけどな。
鹿注(シカチュー)とは裏腹に、一番よく見たのは鹿より熊よりキタキツネだった。
思い出の地、旭川へ
さて、美幌から次の目的地は旭川。
実は旭川は自分にとって思い出深い土地。
初めて訪れたのは17歳の時だったかな。
16歳でスノーボードを始めて、次の冬休みにまだ経験も浅い頃。
当時お世話になっていたショップ店長の繋がりで、旭川に住む先輩スノーボーダーの方々にお世話になるべく従姉妹が住む旭川の自宅をベースにする事に。
もう記憶なんて曖昧なのだが、当時経験した衝撃は今でもハッキリしている。
コナサーフに所属していたライダーさんやBurton代理店所属のプロライダー。
現在はFIELD EARTHというメーカーを立ち上げ、現役で雪の上で表現している本村さん達にも当時はたいへんお世話になった。
以降、今回は省略しますが、とにかく今の自分のルーツであるひとつに「旭川」という土地での経験があるのです。
美幌峠から旭川に向けては210km程。
出発時刻はAM9:00頃だが、到着予定を夕方で考えていた。
かなり時間に余裕があり、途中で釣りもしたい。
しかし、なかなか良いポイントがあっても、バイクを停めて歩いて行くには悩ましい場所ばかり。
とりあえず従姉妹からもらった情報で、釣りが出来そうなポイントまでのんびりとツーリングを楽しんだ。
国道39号線を走り、北見を通過してしばらく走っていると、道沿いに熊らしき背後を遠目に確認した。近づくにつれて巨大な木彫りの熊だった事に気づく。
よく考えてみれば常に野生動物を気にしながらバイクで走っているわけだが、一番気になっているのはとにかくヒグマ。
木彫りですら一瞬ビクッとなってしまう。
水芭蕉大群落地付近では両サイドに水芭蕉大群。
石北峠を走っていると、残雪の大雪山がちらほらと見え始めた。
赤岳なのか黒岳なのかわからないが、ついに目にする事が出来た。
そこからしばらく走ると、従姉妹が教えてくれた観光地である大函に到着した。
大函
ここではトラウトも狙えると聞いていて、ようやくトラウトタックルを使ってみる事になった。
着用サングラス:RECOIL Dark Black Wood Matte x Opal Green Polarized
イメージしていた風景ではあったが、想像以上に水流が早くてピンポイント打ち。
限られたポイントを約一時間程試したが、魚の気配は感じられずノーフィッシュとなった。
ここからは一気に旭川を目指して再びバイクを走らせる。
峠を下り切ったところで、再び大雪山系の姿を薄ら確認。
無事に従姉妹の住む東光までたどり着く事ができた。
アウトドアショップTransit東川
翌日に予定していた"訪れたかったお店"。
DANG SHADESのディーラーであるアウトドアショップ「Transit (トランジット) 東川」。
当日中でもショップの営業時間に間に合うという事で、従姉妹の家でシャワーを浴びさせてもらい東川町に向かう事になった。
思い返すと長くなる話なのだが、このショップのオーナーである"林 拓郎"さんは、自分がスノーボーダーとして活動していた頃に雑誌やSNSで良く目にしていたフォトグラファー、ライターというイメージであった。
自分の周りに居た仲間達の記事で、ちょくちょく見かけるライター名が林さんだったことを今でも憶えている。
そうして念願であった林拓郎さんとようやく会う事が出来た。
当時、接点がないまま時を経て、ついに!といった思いで、店の入口へ。
出迎えて頂いた後の会話はとにかく色々とリンク。
林さんの口からも自分の存在は認識があったと。
まさかの言葉には、本当にありがたく思いました。
しばらく色々なお話を聞かせていただき、DANG SHADESの話も少し提案を頂いた。
「ネイティブトラウトをどうしても釣りたい」と、その想いを伝えたところ、確実に釣りたいならと、あるポイントを細かく教えてくださった。
林拓郎さん、色々とありがとうございました!
まさか自分の事を認識していただけていたとは・・・。
また、遠くないうちにお邪魔できるよう頑張ります!
旭川の夜
トランジット東川を後にし、従姉妹オススメのスープカレー屋へ。
美食を含めた薬膳マイスター、発酵食品ソムリエ、調理師である従姉妹はカレーマニアでもある。
栄養とエネルギーを考えた上で、本当に美味しいモノを探求している従姉妹は、旦那さんの趣味であるトレランも支えている。
この日、連れて行ってくれたのは自らも働くこのスープカレー屋。
オススメの辛さをしっかりと聞いてくれて、選ばずとも最高に美味しく具沢山なスープカレーが出てきた。
普通盛りながら満腹満足となりました。
帰宅して色々と荷物を整理させてもらいながら、サッポロビールをいただく。
しばらくすると旦那さんが帰宅してきて、色々と会話を交えながら第二段ディナーが始まった。
ラムの焼肉をつまみに、とにかく家庭的な空気とFUNで物知りな夫婦との会話を楽しみながら、気絶寸前まで楽しませていただいた。
バイクツーリングだけではなく、今回の旅のメインのひとつであった旭川ステイ。
翌日もまた濃厚過ぎる思い出の日となるのだ。
つづく
ライタープロフィール
名前:赤木 "BON" 一聡
DANGサポートフォトグラファー。
INSTA:@hvtbon